DRINK ON EMPTY STMACH  004 - 5

2010年3月5日

四六時中酔っぱらい
四文字を連呼しながら道を
行く偉人の話

 とんでもないじいさんと、超・優秀な小学生女子の、
頭が混乱する心温まる話で、4杯目。

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四文字連発の人生が、小学生にしてプロになった孫娘を守る布石になってる?


 秀行氏が最晩年も元気に暴れていたのなら、孫娘の里菜さんはものごころついた頃からそれに直に触れてる可能性はあります。また、11歳で史上最年少プロ棋士になるくらいなので、祖父の著作や祖父に関する著作をすべて読んでる可能性もある。夏休みの宿題の読書感想文に「勝負の極北」を選んで、担任が腰を抜かした……なんてことすら、可能性としてはあり得る。しかしそれでも、小学生の里菜さんに祖父のことは尋ねにくい。

 里菜さんの父であり秀行氏のご子息である藤沢一就八段に聞けないだろうか……とか、高校生あるいは二十歳ぐらいになるのを待って本人に尋ねてみたいものだ……とか、いまそんなことを考えている筆者のようなやつがけっこういるのではなかろうか。

 超有名人の子や孫が小学生にしてプロというのは、メディアの過剰な注目が集まりやすい状況です。しかし、藤沢秀行がメチャクチャなエピソードの持ち主であったために、メディアは里菜さんに取材がしずらく(突っ込んだ話を聞きにくい)、結果として幼い孫をメディアの過剰な取材から守ることになっていたりしないか。

 長年の四文字連呼が、実はそこまで読んでの布石だった……ということは、さすがに考えにくいものの、そんなことぜんぜん考えずに好き勝手に生きたことが、自らの死後に愛孫を守る奥深い一手となって効いてくるというのは、恐ろしく凄みのある話であります。秀行氏は昨年他界されていますが、手ほどきをしていて孫娘がどんどん力を付けてくる過程で、もしかしたらそのあたりを読みきって笑っていたかもしれない。

 何がどうなって囲碁の勝敗が決まるのかも知らない私のような者がそんなことを考えてもしょうがないのですが、そんなこと考えながら酒を飲んだり本を読んだりするのはなかなか楽しいのであります。

付記(参考:Wikipedia)

*囲碁における女流棋士

 将棋の場合、女流棋士はいわゆる棋士とは別枠で、奨励会を勝ち抜いてプロ棋士となった女性は一人も存在しない(門戸は開かれているが勝ち抜いた女性がいない)。そのため組織・段位ともに、女流棋士と一般の棋士とでは完全に別の制度となっており、女流五段とプロ棋士の五段とでは実力もかなり異なる。

 囲碁の女流は将棋と違って男性の棋士と同格。日本棋院の場合、入段時に年に1名の女流特別枠はあるものの、将棋のように女流という組織・段位制度が別途独立してあるわけではなく、同一の制度内に属する。昇段時の規定なども男性の棋士と一緒で、同じ五段であれば男女で実力がぜんぜん違うことはなく同格とみなされる。(女流のタイトル戦があるのも、単に女性だけのタイトルを設けているだけ)

*囲碁の女性棋士の実力について

 現在まで女性の棋士が七大タイトルの優勝や挑戦権獲得、三大リーグ(棋聖・名人・本因坊の各リーグ戦)入りを果たしたことはないものの、若鯉戦(30歳以下および五段以下の棋士を対象)では並み居る男性棋士を破り謝依旻がタイトルを奪取。青木喜久代は新人王戦準優勝の実績があり、現役タイトルホルダーの依田紀基碁聖を破ったこともある。

 海外では2000年、韓国棋院の中国女流棋士ゼイ廼偉が韓国のタイトルの一つ国手を奪取しており、世界選手権戦でもベスト4にまで残った実績を持つ。これらのことから囲碁の男女間の実力差は紙一重であり、将棋のそれに比べて格差はかなり小さいと見る意見が一般的。

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