DRINK ON EMPTY STMACH 004 - 1
2010年3月5日
四六時中酔っぱらい
四文字を連呼しながら道を
行く偉人の話
とんでもないじいさんと、超・優秀な小学生女子の、
頭が混乱する心温まる話で、4杯目。
四文字連呼四六時中酔酔翁
四六時中酔っぱらって、シモ系四文字を連呼しながら道を行く……という日々を積み重ね、ついに老年に達した人物がいたとします。
そういう人物についてどう思うか、小学生女子に尋ねてみたいのです。
……などと書くと、「お前あたま大丈夫か?」と言われそうですが、しかし、その〔四文字連呼四六時中酔酔翁〕が、小学生女子の実の祖父で、しかも孫娘との仲がすこぶるよかったりするならば、いかがでしょう。「じいちゃん、どうよ?」と聞いてみたい衝動にかられないでしょうか。
もっとはっきり書きましょう。
■〔小学生女子〕=〔この4月に史上最年少11歳6ヵ月でプロの囲碁棋士になる藤沢里菜さん〕
■〔四文字連呼四六時中酔酔翁〕 =〔囲碁界の至宝「碁打ち・秀行」こと、故・藤沢秀行氏〕
■秀行氏は、里菜さんの祖父であり、囲碁の師匠である。
この場合、どうでしょうか?
それにしたって小学生女子に四文字云々はないだろう……と言われれば、それはもちろんその通りです。筆者も、小学生女子に〔四文字について〕聞きたいわけではない。
日本棋院の棋士採用試験に合格し、2010年4月1日付でプロになる藤沢里菜さんは、その時点で11歳6ヵ月。謝依旻女流三冠が持つ女流棋士最年少記録の14歳4ヵ月と、趙治勲25世本因坊の11歳9ヵ月を、どちらも抜く、史上最年少。
その祖父、藤沢秀行。
大正14年横浜生まれ(2009年他界)。囲碁界の至宝、人呼んで「碁打ち・秀行」。
昭和35年に最高位を獲得。その後、名人、天元など、獲得タイトル多数。昭和52年から棋聖位を六連覇して、名誉棋聖の称号を得る。
平成3年には、なんと66歳で王座のタイトルを獲得し、史上最高齢のタイトル保持者となる。
その一方、名人、天元、棋聖は、どれも第1期の優勝を果たしており、つまり、若い時分から老年に至るまで生涯ず〜っと強かった。
66歳で王座を獲得する以前に、がんで入院経験が二度。将棋の世界では米長邦雄氏が50歳で名人位を獲得した時、世間がかなり騒いだが、「碁打ち・秀行」はその上を行く怪物。当の米長邦雄氏が、藤沢秀行氏を尊敬し、師と仰いでいた。
筆者は囲碁についてまるっきり無知で、何がどうなって勝敗が決まるのかもわからないのですが、藤沢秀行氏がケタ外れにとんでもない人物だったことは、少しだけ知っています(本で読んだだけのことですが)。