地球の全部で暮らしてみたい 『全額回収一生旅行』始末記編 100 - 3
2001年1月 マレーシア
ジャングルとコンピュータ
割礼とインターネット
もう一生定住しないと宣言してアフリカを目指す途中、航空券の関係でマレーシアに1ヶ月ほど滞在することになった。せっかく釣り道具を持っていることだし、マレー半島の湿地帯のジャングルに行ってみた。
割礼の儀式もインターネットも、等しく”今”
ホームページに紹介されている、これら観光アクティビティの写真は、実は私が撮ったものです。その時は、まだエコ・ツーリズムを試験的に導入したばかりで、本格的に稼動するのはこれからと聞き、撮った写真何百枚かをCD−Rに焼いて、CD−ROMで読めるようにして、何かの役に立つようなら…と、お礼に渡して来たら、後でホントに使ってくれたのです。
昔からの伝統的な生活を失えば、エコ・ツーリズムの売り物がなくなる。失わなければ、新しい仕事&現金収入確保の可能性も出てくる。
セメライの人々は、六百年もの昔から続く暮らしと、ジャングルの湿地帯という、伝統と自然環境の両方を守るために、エコ・ツーリズムを導入し、それをインターネットで世界に告知して、来ませんか?と言っているわけです。
電気がない家がほとんど、しかし自家発電の設備がありFAXや携帯電話を持っている人が数人。カヌーで移動する人がほとんど、しかしモーターボートを持っている人が数人、車・バイクを持つ人も少し。パソコンがある家が一軒。割礼の儀式もインターネットも、等しく〔今〕。
タセック・ベラは穴場です。例えば「地球の歩き方」には載ってない。本文に記載がないどころか、本冒頭の地図(マレー全図)にすら、マレー半島最大の湿地帯が載っていませんでした(2000〜2001版)。欧米人バックパッカーがよく持っている「ロンリー・プラネット」も、無いも同然の記述が数行だけ。マジ穴場です。
私は、偶然と根性と幸運で辿り着きました。セメライの人たちには、「十何年ぶりに来た日本人だ」と言われました。十何年か前にどこかの大学の先生が湿地帯の調査に来て、それ以来ということでした。
タセック・ベラまで行く公共の交通機関はありませんが、道は通じています。湿地帯周辺のジャングルがどんどん伐採され、パームツリー(油ヤシ)の農場に変わっており、ジャングルが小さくなって来て、アクセスしやすくなっているのです。自然環境保護の点では悲しいことですが、マレーシアの経済はヤシ油の輸出で好調が保たれていて、世界生産量の50%(1位)、二者択一がきかない微妙な状況です。
セメライの人たちの所にぜひ行って下さい。
☆ タセック・ベラ ウェブサイト http://tasekbera.jones.dk/