地球の全部で暮らしてみたい 『全額回収一生旅行』始末記編  100 - 2

2001年1月 マレーシア

ジャングルとコンピュータ
割礼とインターネット

 もう一生定住しないと宣言してアフリカを目指す途中、航空券の関係でマレーシアに1ヶ月ほど滞在することになった。せっかく釣り道具を持っていることだし、マレー半島の湿地帯のジャングルに行ってみた。

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ジャングルの奥地のデジタル先住民?


 ジャングルに暮らす人々のことを、なぜコンピュータやインターネットに絡めて書くのかというと、それはセメライの人々が自分たちのホームページを持っているからです。

 〔六百年前にこの湿地帯に住み着き、昔から続く伝統的な暮らしをしているが、自分たちのホームページを持ち、世界とつながっている、ジャングルの先住民〕。

 セメライの人々のホームページは、エコ・ツーリズムを目的としたものです。タセック・ベラで、数日、彼らのように暮らす。それだけのシンプルなツーリズムです。彼らの毎日のごく普通のことが、ジャングルに初めて来るお客にはすべて新鮮で強烈な体験なので、シンプルで充分なのです。

 セメライの人々の湿地帯での日常の足はプラフー(カヌー)なので、彼らの単なる移動が、客にとっては熱帯雨林のカヌー・クルーズという刺激的なイベントになります。

 セメライの人々が、住居や日用品を作る樹木を採りに行く。それに一緒に付いて行くだけで、マレートラがいるジャングルのトレッキングになります。

 ジャングルの野生の豚の肉を、バナナの葉っぱに包み、巨大な亀の甲羅に乗せて、熾き火で蒸し焼きにした彼らの料理も、客にとっては帰った後の自慢話になるでしょう。うまかったなー、ホントに。

 宿泊施設も、伝統的な高床式の住居そのままに作ってあります。電気はありませんでした。

 ワニのいる川で体を洗ったり泳いだりするのも、湿地帯の巨大魚を釣るのも、みなセメライの人々には普段の生活ですが、こっちはいちいちドキドキするしコーフンするわけです。

 客のガイドも、セメライの人たち自身がする。エコ・ツーリズムのために作った、SABOT(サボー)という組織も、自分たちの運営です。ウェットランズ・インターナショナル(*2)がバックアップをしてはいますが、あくまでもセメライの人々の自主運営です。

 ☆ タセック・ベラ ウェブサイト http://tasekbera.jones.dk/

(*2)ラムサール条約に登録された湿地帯周辺の保全などを手がけている。

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