DRINK ON EMPTY STMACH  004 - 2

2010年3月5日

四六時中酔っぱらい
四文字を連呼しながら道を
行く偉人の話

 とんでもないじいさんと、超・優秀な小学生女子の、
頭が混乱する心温まる話で、4杯目。

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碁打ち・秀行の、仰天・爆笑・ケタ外れのエピソード


 以下、「勝勝負の極北-なぜ戦い続けるのか」(藤沢秀行・米長邦雄・共著〔対談集〕1997年)から、藤沢秀行氏のエピソード抜粋。(敬称略)

hon5.jpg 昭和52年、第1期の棋聖位を4勝1敗で獲得した時のこと。5戦で決着がつき、第6戦がなくなってしまったので、6戦目が行われるはずだった仙台の会場で、代わりに藤沢秀行vs呉清源の記念対局が行われることになった。県知事、国会議員、地元の名士、ファンがたくさん集まり、一般のファンからは2000円の会費を取っての対局で、TV中継もあった。カメラが回り、「それでは藤沢棋聖の登場です」と司会者が言って、出てきた藤沢棋聖の第一声が「お○○○」(酔ってた)。じきに連呼が始まり、「なめさせろ」などと言い出したので、舞台から引きずり降ろされ、対局は中止に。ファンの一部が会費の2000円を返せと騒ぎ出したが、主催者側は「秀行の『お○○○』がじかに聞けたのだから2000円の価値がある」と言って返さなかった。

 主催者がそんなことを言ったのは、秀行の四文字癖が囲碁の世界では実に有名だったから。

 棋聖戦を何期か連続防衛した時、日テレに出演。女性アナウンサーがインタビューしようとしたら、「姉ちゃん美人だな、お○○○しよう」。(生放送)

 中原誠永世名人と米長邦雄の名人戦(将棋、場所は箕面)に乱入。対局の真っ最中に押しかけて、「米長、米長はいるかぁー、俺だ、藤沢だ」と言って対局室に入ろうとしたが、名人戦真っ最中の対局室に入れるわけにはいかないため将棋連盟の職員が必死に止めると、四文字を連発し始めた。

 とにかくいつも飲んでいて、いつも四文字を連発している。開高健と藤沢秀行は、本人同士は面識がなかったが、たまたま近所に住んでいた時期があったようで、毎日々々酔って「○○○○」を連呼しながらフラフラ歩いて帰ってくる謎の声の人物のことを、開高健は『開口閉口』に書いている。

 自分の家に帰る時だけでなく、人のうちに遊びに行く時も、道々四文字を連発しながらやって来る。秀行を師と仰ぐ米長邦雄の家にも、いつも四文字を連呼しながらやって来た。

 酒が原因で留置場に入れられたことも何度かある。阿佐ヶ谷に住んでいた時、酔ってメチャクチャになって若いお巡りさんに杉並署まで引っ張って行かれた時のこと。奥さんが身柄を引き取りに来たら、藤沢秀行、杉並署の署長の椅子にふんぞり返って何かわめいていた。この時は留置場に入れられることはなく、逆に秀行を引っ張って行った若い署員が、「あの酔っぱらいを知らないなんて、お前は何年杉並署にいるんだ」と所長に怒られた。

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