地球の全部で暮らしてみたい 『全額回収一生旅行』始末記編  100 - 1

2001年1月 マレーシア

ジャングルとコンピュータ
割礼とインターネット

 もう一生定住しないと宣言してアフリカを目指す途中、航空券の関係でマレーシアに1ヶ月ほど滞在することになった。せっかく釣り道具を持っていることだし、マレー半島の湿地帯のジャングルに行ってみた。

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ジャングルとカヌーとカワセミとデジカメ


 マレーシアの鬱蒼としたジャングルを流れる川を、プラフーという、土地の人々手作りのカヌーでゆっくりと進み、気が向くと漕ぐ手を止めて、デジカメで写真を撮ってみたりするわけです。

 カワセミが水面すれすれを飛び、カヌーを追い越して行きました。そいつは川の流れの少し先に止まったので、写真を撮ろうとするのですが、カヌーが近づくとカワセミは川の流れのさらに先へと飛んで行ってしまう。同じことの繰り返しになり、ちっとも写真が撮れないのですが、ジャングルの川でカヌーを漕いでカワセミと追いかけっこ…は、非常に楽しい。時たま、沈んでいる倒木にカヌーが突っ込んでしまい、でえええええ〜!となったりするのですが…。

 マレー半島内陸部のジャングルの中にある、タセック・ベラという湿地帯でのことです。

 ここはマレー半島最大の湿地帯で、周囲の熱帯雨林を除いた湖の部分だけで面積7千ヘクタール。マレーシアで最初にラムサール条約(*1)に登録された場所です。

 湿地の周辺には、マレー半島の先住民族のひとつ、〔セメライ〕の人々の集落が点在しています。人口およそ1,500人の少数民族で、タセック・ベラに住み着いたのはおよそ六百年前。古式豊かな伝統がけっこう残った暮らしをしています。

 この日は、アムリ君という若者に案内をしてもらい、湿地帯のある集落からカヌーで川に出て、彼が暮らすカンポン・ジェラワットという集落に行って村を見せてもらった後、今晩泊まる別の集落までカヌーでさらにジャングルを移動。そこでパーティーに混ぜてもらい、セメライの人々のご馳走と酒をたらふくいただきました。

 パーティーは、〔割礼〕の儀式の前夜祭です。一定の年齢に達した少年のペニスの包皮を切り取る、成人の儀式が、翌日行われたのです。

(*1)湿地の経済上、文化上、科学上の価値を評価し、動植物、特に水鳥の生息地として湿地を保護するための国際条約。日本は80年に加盟。

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